イラストレーター秋山亜軌の日記を中心としたブログです。イラストレーターとしての活動報告をはじめ、美術や映画、音楽の話、興味のある出来事など、幅広い話題を独自の意見を絡めて執筆しています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

MR CHILDREN 「I■(love)U」 全曲レヴュー

今回は前に書いたMR CHILDRENI■(love)U」の全曲レヴューです。一曲一曲の感想や過去の作品と比較した内容になっています。ファンにしかわからないかなりマニアックな内容なので(笑)、わかる人だけ読んで下さい。
I■(love)U


1.Worlds end
まずは「It’s a wonderful world」の「蘇生」のようなスケールの大きい曲で幕を開けます。I love youってアルバムのくせに最初の曲が世界の果てっていうのには突っ込みを入れたくなりますが(笑)、衝動で作ったというコンセプトを一番代表しているような曲。でも詞はよく練られてるな、という感じ。この曲の詞は自動販売機のくだりのところが見事です。人を機械に例えて、それがまた人に戻ってくる。比喩が往復するのがすごい。jenのドラムもタタン、タタタンと歯切れが良くてすごく気持ちいい。この曲ラストでいきなりプツッと終わるんだけど、PVではそこで部屋がコントの終わりみたいに壊れて、外の世界に男女が走っていくんですよ。あのシーンはかなり好き。うまいこと終わらせたなって。

2.Monster
「ボレロ」に入っていてもおかしくないようなちょっと危ない曲(Bradnew my loverとかの兄弟分かな。)。最近こういうの無かったですね。誇大妄想を抱いてる男の歌でサイコな犯罪者にいそうな感じのキャラクター。ライブでは「loveはじめました」みたいに狂ったパフォーマンスが見られるかも、と楽しみです。ミスチルではベースで始まるの珍しいですね。ちょこっと入るブルースハープのいやらしいこと、いやらしいこと(笑)。最後のサビで入るキューキュルルル、キューッキュー、っていう警告音のような音も不穏でいい。これが「潜水」というキーワードでラストに繋がるのは、「深海」っぽい。

3.未来
実は「四次元」で一番好きだった曲。CMでサビだけ聴いたときは、なんて王道!なんてポップ!って思ってたんですけど、CDが出てAメロ、Bメロを聴くと詞や歌い方は明らかにシングル用と思えないくらい毒交じりで、印象がガラっと変わった。詞にはスガシカオの影響が色濃く出てて、ボーカルの感じはbank bandでやった井上陽水の「限りない欲望」ですね。いい意味で裏切られた。最初毒づいて、サビで抜けた感じになるのは「光の射す方へ」にも通ずるところがあります。

4.僕らの音
この曲は秋にぴったりな曲。この枯れ気味のボーカル、賛否両論だけど、僕は好き。この曲には合ってると思う。桜井さんならこのキーはラクラク出ると思うけど、この歌の主人公のたどった経過や心境をダイレクトに表現するためにこのテイクを選んだのだと思います。自分じゃない部分を引っ張り出そうとしてる感じ。高音をきれいに出せるのはもう今までののアルバムで実証済みだし、常に新しいチャレンジをするのがこの人なんです。もともと浜省に憧れてた人で、わざわざ声枯らすためにウィスキー飲んでた人ですからね。同じような過去の作品で言うと、「simple」や「口笛」に似てるかな。古き良きJ-POPをおさらいにした感じが。

5.and I love you
たぶん誰もが認める名曲でしょう。イントロのコード進行は「ハレルヤ」。ファルセットの浮遊感がいい。CMで聴いた時は「傷つけ合うためじゃなく僕らは手を取っていけるかなあ 廻る答えは一つ」だと思い込んでた。
本当は「傷つけ合うためじゃなく僕らは出会ったって言い切れるかなあ 今わかる答えは一つ」。
映像のせいもあり、またタガタメみたいな社会派の曲かな、と思って、リリースされたら純粋に恋愛の歌だったのが記憶に残ってます。サビにあんなに言葉を詰め込んでいるあたりが「ねじれポップ」(昔、桜井さんが民生との対談で云っていた。一見、普通に聞こえるけど、よく聞くとすごくひねくれた作りのポップスのこと。)の所以でしょうか。Cメロの部分が一番好き。(どうしようもなく急に、のところ。)感情が昂ぶってく感じで。
実はファルセットはおとりで、これがやりたかったのではないでしょうか。テレビではいつもカットされるけど。あとこの曲のPV、今年の中で一番出来がいい。ミスチルは「youthful days」あたりからプロモにかなり力入れてるし、ハズレがないですよね。

6.靴ひも
Aメロはくるりのジョゼの曲みたいで、サビはスピッツみたいな曲。青いですねー。この曲。Bメロのじれったい感じの溜めから、サビで一気に解き放たれる感じが疾走感を上手く出してて気持ちいい。甘酸っぱい感じは「youthful days」と同系だけど、この曲はあまりフィクションは細かく描かずに、会いたいっていう気持ちをぐっと前に出したような詞の書き方。色に例えた恋愛表現は「シフクノオト」の「pink」を発展させたような形ですね。後半の「跳べ」と「天頂バス」のペア感覚といい、「シフクノオト」と「I ■(love) U」が連作と考えても面白いかもしれない。

7.CANDY
今回のアルバムの中で、一番好きな曲。一聴するなり、すぐに心をギュッてわしづかみにされました。「Q」でいう「つよがり」のポジションの曲ですね。「上手に包んでしまったものが飛び出したいと疼いてる」っていう詞がすごくキャンディっていう比喩を際立たせてる。
あと「夜更けにふと孤独が爆発する」っていうフレーズが新しい。こういう感動的なバラードで「爆発する」っていうダイレクトな言葉のチョイスは今までの桜井さんには無かった部分じゃないかなあ、なんてとても気に入っています。
あと打ち込みじゃない生の音がここでは聴けるので、メジャーであるが故のゴージャスなアレンジが多いミスチルの現在の音っていうのが一番出てるんじゃないかな。アレンジはスガシカオのバラードにありそうな感じです。この曲好きって人多いですね。

8.ランニングハイ
四次元で最初聴いたときは正直変な曲と思いました。イントロとアウトロはジャズっぽいし、桜井さんのボーカルは音外してるんじゃないの?と聴きまがうくらいにコースアウトぎりぎりまで声を張って歌ってる。シャンソンのようでもある。とっちらかった情熱をそのまま吐き出したような感じがあって「Q」に入っていそうな曲だと思いました。
だんだん聴きなれてくると、まるで子供が塗り絵の輪郭をはみだして好きなクレヨンで思い切り描いたような勢いが大好きになりました。
この曲は自分ともう一人の自分との対峙という内面のぶつかりあいで始まって、その衝撃で弾き飛ぶように前のめりに走っていく主人公の絵が見える。
サビはリズムの階段をテンポよく登っていくような気持ちよさがあります。
「玉虫色の衣装を見せびらかしてこう」っていう詞が上手いですね。このどっちつかずの主人公のキャラクターをよく言い当ててる。玉虫色って、はっきりしない色っていう意味で、一般的にあまりいい場面で使う言葉じゃないですよね。でも玉虫ってすごく綺麗じゃないですか。見たことあります?うちの母親なんて死んだ玉虫をタンスにしまってたんですよ。お金が貯まるとか衣装持ちになるとかなんとかで。
ここではそういういい面も悪い面も肯定した言葉として使ってるんだなって思います。
声に対するチャレンジはこの曲が一番そうかも。桜井さんの声の可能性をこれでもかと実験している気がします。

9.Sign
この曲は「シフクノオト」を総括した曲なので、前作からの橋渡しをする役割と共に、社会に対するメッセージ的な部分も強く出てる曲ですね。
僕が思うのは、この曲はラブソングという服を着せた環境に対する歌ではないか、ということで。
オゾン層もずっとオゾンホールっていうサインを出してたけど、何年も何もしなかったし、温暖化やなんかは目に見えないと僕たちは焦らない。大量に消費される資源のことや、動物が増えたり減ったりのこともそう。
そういうのも裏に見えるような詞の書き方にしたかったんだと思う。派手さはないけど、すごく誠実で優しさがにじみ出てくるような曲。
環境問題に対しても、大事な人に対しても愛するっていう気持ちは同じであって、それは向ける対象が大きいか小さいかという違いしかなくて、最小公約数は結局ささやかな愛である、そういう曲だと思います。
「緑道の木漏れ日が君に当たって揺れる 時の美しさと残酷さを知る」ってい部分はルノワールの絵画を思わすような美しい表現ですね。
関係ないけど「ハーモニー」っていう部分、井上陽水と玉置浩二の「夏の終わりのハーモニー(だっけ?)」のメロディーに似てると思ったのは僕だけでしょうか。

10.Door
2曲目の「Monster」とノックつながりでリンクしている曲。また随分通好みな曲ですよね。Doorの主人公がドアを開けるとMonsterの主人公が向こう側にいたら面白いなあ、なんて思いました。なんかサスペンスみたいな想像だけど(笑)。
ここでも桜井さんの声に対するチャレンジは表れていて、ブルースっぽくここではしゃがれ声で歌ってます。これはずばり「深海」でいう「So Let's Get Truth」のポジションですね。街頭で歌ってる感じといい、チープな機材で録ってる感じといい。

11.跳べ
この曲はアレンジのカラフルさや場面展開の多さから云って前作の「天頂バス」の兄弟分のような曲。「滑走路」っていうキーワードも含めて。ライブで「天頂バス」か「光の射す方へ」からこの曲に繋いだら盛り上がりそう。
この曲で云っていることは「It’s a wonderful world」の「one two three」と同じなんですが、Bメロで夢の話やビールの話など、根拠が無いことで人生が上手く廻りだすことをユーモア交じりに描いていて、コミカルな味付けになっています。サビにいかにして気持ちよく繋がっていくか、「and I love you」でもそうなのですが、最近の桜井さんの詞はサビで云いたいことがシンプルになった分、Aメロ、Bメロの詞がすごく凝ってて聴きどころかな、なんて思います。跳べって、跳べなだけに、まさか窪塚君への応援歌じゃないですよね(笑)。応援になってないか。

12.隔たり
男がコンドームを着けたがらない理由は陳腐だけど、女性が避妊したがらない理由というのは面白そうだ、と思って書かれた曲だそうです。それは子供がほしい時の場合にしかありえない。
こういう局面に遭遇することは人生においてもそんなにないことだし、すごくその瞬間を切り取った生々しい温度を持つ曲だと思います。男は決断を迫られる立場だけど「だけど悪い気分じゃない それに僕は応じる」という部分がすごくそういうときの本音を上手く表してるんじゃないかなあ、なんて思います。
あいにく僕はまだそういう局面は経験してないですけど(笑)。この曲はこう、シンプルな感じから、だんだんとオーケストラで広がっていく感じが「ボレロ」に似てますね。

13.潜水
お、こんな曲がラストなの?と思うくらい地味な曲ですが、繰り返し聴いていると不思議と飽きの来ない、いい曲と思えてきます。けっこう今回のアルバムは全体通すと、走ったり、飛んだり、跳ねたり、ドタバタしているので、ラストはすごくリラックスさせたかったのかな、っていう気がします。ボーカルもすごく力が抜けていて聴いててこちらも落ち着く感じ。水面が光をキラキラ反射しているような感じや水の中を深く潜っていく感じが音に出ていて、詞もなんてことないことを云っているのですが、イメージがポン、ポンと浮かんでは消えていくような、不思議な感覚があります。「赤、白、青、黄色」のトコなんて、ほんとに色が鮮やかに目に見える感じ。
「ピアノ叩いても音しか出ない」っていうのも説明的じゃなくて、いい言葉選びですね。
疲れてフラフラだけど、意識が飛びそうになる瞬間ってすごく気持ちいいですよね。こういう瞬間あるあるって思った。
電車の中で降りる駅が近くて起きてなきゃいけないけど、眠くて眠くて落ちそうな時とか、仕事の後にお酒ガンガン飲んでる時とか、お風呂でのぼせそうになってるときとか、こっちの世界とあっちの世界を彷徨ってる時の歌(笑)。「ああ、生きてるって感じ。」って言葉に全てが集約されてます。脳梗塞効果が一番発揮されてますね。(今回やたら「偏頭痛」って詞を使ってるけど、あれはサービスかな。)
スポンサーサイト
  1. 2005/09/25(日) 13:48:47|
  2. 音楽|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
<<ギュスターヴ・モロー展 | ホーム | K-1 WORLD GP 開幕戦 >>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://surshelter.blog5.fc2.com/tb.php/64-a02e74e0
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。