イラストレーター秋山亜軌の日記を中心としたブログです。イラストレーターとしての活動報告をはじめ、美術や映画、音楽の話、興味のある出来事など、幅広い話題を独自の意見を絡めて執筆しています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

gregory colbert ashes and snow

先日、りんかい線に乗ってお台場へ行ってきました。ノマディック美術館にて開催されている「gregory colbert ashes and snow」を見るために。
これは「ashes and snow」という、写真作品、映像、美術装置、手紙形式の小説が一体となったアートプロジェクトの一環。グレゴリー・コルベールって人は僕は知らなかったのですが、キャリアとして、パリで社会問題を扱うドキュメンタリーフィルムを制作し、その後映画制作から、芸術写真の分野へ転身したアーティストなんだそうです。僕は絵画以外の芸術には疎いのですが、渋谷トナカイ(僕の仲間内の総称。)のなっちゃんが珍しく誘ってくれたので、行こうと思った。彼女の感性にひっかかるものならきっといいものだろうな、と思ったんです。
写真と映像がメインということで、いつもの絵画を鑑賞するような感じじゃなくて、肩の力を抜いて、全くの予備知識なしで、素直に楽しめればと思って鑑賞しました。

0430-000.jpg

↑お台場の観覧車。この日は快晴。絶好のお出かけ日和でした。

0430-001.jpg

↑これが、ノマディック美術館。「ashes and snow」を行うための移動美術館として、日本人建築家の坂茂(ばんしげる)によって設計されました。ニューヨークにはじめて登場し、その後サンタモニカに移動、ここお台場で3ヶ所目になります。5300平方メートルにも及ぶ巨大な仮設美術館であり、旅を続ける今作品のコンセプトを象徴した美術館です。この美術館、とても武骨でカッコよくて雰囲気があるんですが、なんと152個の貨物コンテナで組み立てられているのです。コンテナは移動先でレンタルされ、会期が終わると返却されます。移動美術館ていう趣向は新しいですね。街にやってきたサーカス団みたいなニュアンスですね。環境にかける負担も少ないし、決してビジュアル的にダサくなってるわけではない。僕は必要以上に芸術家が環境問題に傾倒するのは好きじゃないし、必然性を感じないけど、それがやってる側も、見る側も楽しめる程度のものなら大歓迎です。

gc-1.jpg

↑そして、これがグレゴリー・コルベールの写真。前半は象の写真が続きます。パンフの表紙にもなっているだけあって、この写真は見事だと思う。どの作品もデジタル画像処理や合成などを加えずに、レンズを通して見たままに記録されたそうです。全ての写真がアンバーとセピアの色調で表現され、手漉きの和紙に独特の手法で焼き付けられています。

gc-5.jpg

↑前半は象と原住民の子供の写真がずらっと並んでるんですが、これがかなりの大きさの写真で、迫力と地平線の見えない自然のダイナミズムを感じることができました。全く予備知識がないので、象専門の写真家かと思ったんですが、中盤、後半は他の動物も被写体になっています。僕的には、象の写真だけでよかったかな、と思います。それくらい、象の写真は魅力的で、たぶん象っていう被写体がいいからなんですが、中盤、後半、他の動物を見ても前半の感動を超えなかったし、逆に気持ちが盛りさがってしまった。それはこの芸術家の変に作為的な意図のようなものが見えてしまったからなんだけど。

gc-4.jpg

↑象は被写体として、迫力があるし、優しさと強さどちらも感じさせる雰囲気のある動物だと思った。どこか神の使いのような、神々しさも感じる。象の目のアップの写真なんか最高だった。深い皺は古代の彫刻のようなクラシックさを感じるし、その深くに埋まっている優しげな眼は、伝説の宝石かなんかに見える。個人的に、村上龍の「フィジーの小人」やゲームの「ワンダと巨像」とかを思い出しました。リンクするところがあるんですね。

gc-3.jpg

↑その後、中盤で映像作品などを挟んで、大自然の写真は続きます。ただ、中盤、後半は前述したように、作家の意図的な部分が見えてしまう。見ている側もわざとらしいくらいに感じてしまう。自然とそこにいる野生動物と、人間の共生がおそらくこの写真展のテーマ。人間とその他の動物が手をとって平等に暮らしていけるか。僕はその答えは「NO」だと思います。わざとらしいくらいに寄り添っている動物と人間の写真。僕はそれを素直に肯定できない。シビアに考えれば、絶対に自然と人間は平等ではないはずです。人間が進化すればするほど、地球にとっては害になることで、しかし人間は進化を拒めない生き物です。人間は地球を滅ぼすために生まれたエイリアン、ウイルス、そんな提唱をする学者もいるくらいです。そして逆に自然は人間にとって有益なものばかりを与えてくれるわけじゃないし、牙だってむく。
この写真展には、そういうシビアな面が描かれていなかった。問いかけではなく、共生を肯定の目線でしか描いていないのが僕にはマイナスでした。それが押し付けっぽくてイヤだった。これでオチに自然が無情に人間に牙をむくような写真でもあれば、評価も変わるけど(笑)、それも後味が悪いので、普通にメッセージ性なんか持たせないで、象の神秘性とダイナミズムで雰囲気重視の写真展にまとめてほしかった。変に気になるくらいなら、意味なんて持たせない方がいい。皆さんはどう感じましたか?

gc-2.jpg



スポンサーサイト
  1. 2007/05/03(木) 00:57:54|
  2. 美術展|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
<<OKINAWA’N IN 恵比寿 | ホーム | アメリカンアイドルシーズン6、残り8名。>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://surshelter.blog5.fc2.com/tb.php/262-f2a5df0e
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。