イラストレーター秋山亜軌の日記を中心としたブログです。イラストレーターとしての活動報告をはじめ、美術や映画、音楽の話、興味のある出来事など、幅広い話題を独自の意見を絡めて執筆しています。

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「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展

9日、「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展を国立新美術館に見に行きました。
旧プラハのメンバーで。プラハというのは、デザインフェスタに出品してた僕の絵画グループの名前なんですけど。その中の三人(僕と彼女さんとカリナちゃん。)で行ってきました。
国立新美術館はまだ今年できたばっかりの美術館で、六本木をアートの街にしようという動きの中でできたものだそうで、ヒルズの森美術館、サントリー美術館と共にアートのトライアングルを構成しています。
国立新美術館、新しくてでっかくてきれいでよかったですよ。照明も明るすぎず暗すぎずでよかった。ブンカムラやブリジストンの方が僕は親近感が持てて好きだけどね(笑)。
で、ここに尊敬してやまないフェルメールの絵が来るということで、絶対行かねば、と思ってたんですが。
フェルメールは17世紀、非常に当時高価だったラピスラズリという原石から印象的な青を使って、労働者階級の人々のごく普通の日常を、光の効果を用いて静謐な雰囲気で描いた画家として、知られていますが、同時に寡作(作品が少ない)の画家として知られています。全部で34、5点程度しかないんです。それが災いしてフェルメールの生涯は多くの謎に包まれています。
日曜画家で、1点1点時間をかけて描いていて、描いた絵はすぐに売れてしまったそうで、当時とても高い評価を受けたものの、作品の少なさ故、すぐ忘れられ、注目を再び受けるのは近年になってからのことです。
その数少ないフェルメールの作品の中でも、今回初来日した「牛乳を注ぐ女」は評論家の間でも最も優れた作品として支持されています。
なぜ、そんな作品が新設したばかりの美術館に貸し出されたかというと、意外すぎる理由がありまして、この作品を所有してる美術館から「アスベスト」が検出されたため、改装工事を行ってるんですね。その期間貸し出されたってわけなんですね。
これは「アスベスト」に感謝です(笑)。

vermeer.jpg

↑さて、これがその「牛乳を注ぐ女」。英語では「ミルクメイド」。まんまやん、て感じでしょ。日本語タイトルの方がいいよね。
この作品がメインだったので、作品のまわりにはすごい人だかりができていました。まずまん前では立ち止まれない。とても小さな作品なので(フェルメールの場合大抵が小品。)何度も行ったり来たりして、その素晴らしさを確認する。
この人の作品というのは印刷の絵から受ける印象と生で見る印象が大分違います。
印刷から受けるイメージは繊細で薄塗りで丁寧に描かれている印象を受けるけれど、実際に見ると、意外と重厚な絵肌で、繊細といえば繊細なんだけど、その反面、大胆に描かれている部分があることに驚かされます。技量や画力はもちろん同時代ではトップクラスでありながら、1番脅威だと思うのは、その思い切りの良さであったりします。
この絵ではパンの点描による描き方、それと永遠に流れるような、時間が止まってしまったかのような、流れるミルク。光のデフォルメとでも云うような、大胆な照明の当て方。右半分にほとんど何も描かず、極限人物だけに目がいくように配慮された構図などです。
普通のそのへんのちょっと腕に自信のある画家なら、上手く、きれいにまとめようと思うあまり、退屈で勢いや緊張感のない画面になってしまうことがおうおうにしてありますが、この人にはそれがない。
洗練された実力を持ちながら、遊び心や新しい挑戦を恐れずやっているところが素晴らしかったです。
人物の衣服の色使いは三原色の組み合わせなのですが、これも絶妙に彩度がコントロールされていて浮いていないのがすごい。
フェルメールが単に上手いだけの画家だと思っている人には是非本物を見てほしい。新しい驚きがあるはずです。

Alexander.jpg

↑それで期待はしていなかったんですが、フェルメール以外でもいい作品がわりとありましたので、紹介しておきます。
バッケル・コルフの「ぼろ布の籠」。この衣服のしわくちゃ感の表現、かなり質感を上手く描き分けています。精緻画派(細部に至るまで細心の注意を払った筆使いをする17世紀の画家達の流派。)という流派の人達を大変尊敬していたそうです。いい仕事してました。

caspar.jpg

↑こちらはカスパル・ネッチェルの「子供の髪を梳く母のいる室内」という作品。ママのシルクのスカートの質感。これもかなりそれらしく描けています。触ったらこんな感じ、と想像できるくらいリアリティーがある秀作。質感の描き分けという点ではとても勉強になる美術展でした。

Christoffel.jpg

↑こちらは水彩による作品。ビスホップの「日の当たる一隅」。田舎の素朴な生活を描くハーグ派の画家。この作品はフレッシュでみずみずしくてよかった。とても受ける印象が爽やかでした。

jacob.jpg

↑これは、そのハーグ派の中心人物とみなされているヤーコプ・マリスの「窓辺の少女」。ラフですばやい輪郭線のタッチが生き生きとしていて、とてもこの少女に強い生命力を与えているように感じました。すごくいい作品ですね。こんな名前も知らない画家で、いい画家がたくさんいるものなんですね。
この時代の絵って題材は皆一緒なのにすごく振り幅が大きいのがいい。
バルビゾンに影響を受けているものの、バルビゾンに比べると自由度が大きい。バルビゾンはミレーとコローだけ見ればいいものね(他は似たり寄ったり。)。中にはブリューゲルやジョルジュ・ド・ラ・トゥールなんかを彷彿とさせるような作品もあり、フェルメールは見方によっては印象派やロマン主義的にも見える。この展覧会、面白いです。見て損はないです。

yakitori.jpg

↑帰りは神保町に新しくできた焼き鳥屋さん「やきとり道場」で夕食を食べてきました。安くておいしい焼き鳥屋さんです。お店も広い。鍋もありましたよ。
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  1. 2007/12/10(月) 01:35:45|
  2. 美術展|
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小椋夫妻、8月のパレード

K-1GP面白かったね。バダハリやアーツ、バンナなどといった熱い選手がいる限りまだまだ楽しめそうだ。ボンヤスキー、グラウベの研ぎ澄まされた技術にも胸が躍った。
このまま、「やれんのか!」や「Dynamite!!」も大盛り上がりでいってほしいですね。
UFCのしたいようにさせたくはない。がんばれ、格闘技。真の格闘技は日本にこそ存在する。
ところで・・・
「sur shelter private」に「小椋夫妻」、「8月のパレード」の2つの記事を地味にUPしました。ハッピーになりたい人や古きよき時代に還りたいと思っている人たちのために書いた記事です(嘘だけど。)。それでも、やっぱり関係者以外は入れません。
  1. 2007/12/10(月) 01:14:08|
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