イラストレーター秋山亜軌の日記を中心としたブログです。イラストレーターとしての活動報告をはじめ、美術や映画、音楽の話、興味のある出来事など、幅広い話題を独自の意見を絡めて執筆しています。

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ギュスターヴ・モロー展

先日、Bunkamura the museumにてギュスターヴ・モロー展を見てきました。
モローは小品は何度か見たことがあったのですが、今回は本家本元のモロー美術館(画家本人の自宅でありアトリエであり、それを画家本人が美術館にしたもの。)からやってきた作品のみで構成された美術展。大作がかなりの量来ていて、ここまでモローの作品を見られることもないので、絶対に行かなくては、と思っていました。
しかし今年の美術展はスベり知らずですね。今回のモロー展も非常に充実していて面白かった。毎年こうだといいんですけど。
前述した通り、モローに関しては小品は見たことがあって、その時の印象は印刷からは想像できないくらい重厚な絵肌を持っていて、迫力があるというものでした。今回の美術展を見てその思いは更に深まった感じです。
やたら幻想的とか神秘的というイメージが先行しているけど、実際本物を見ると、確かにそういうイメージもあるんですが、もっとインパクトがあってダイレクトな表現という感じがします。とにかく、絵を前にした時の衝撃が強い。
けっこう盛り上げて描いてるんですよね。
やってることはラファエル前派(ミレイ、ロセッティなど)に似ているようで絵の持ってる性質は全くの別物です。絵の強さがドラクロアに似てると思ったら、どうやら影響を受けてたらしい(憶測のようですが)。自画像は確かにドラクロアのそれと似通っていた。
それで今回も圧倒されっぱなしだったんですが、特に代表作「一角獣」「出現」の二作の存在感といったらすごかった。

ギュスターヴ・モロー「一角獣」

ギュスターヴ・モロー「出現」

実は今回「出現」が一番見たかったのですが、この二作で見られるモローの表現は特筆すべきものであり、かなり異質であると云えます。僕は油彩でこんな表現を見るのは初めてでした。その表現というのは人物や建物の装飾部分を、墨の細線によるアラベスク模様でまるで透し彫りのように描きこんでいる部分です。これがピュアで色彩豊かな「一角獣」、グロテスクで超常現象的な「出現」に独特の浮遊感を与え、作品を唯一無二のものに昇華させています。(その部分、画像だとすごくわかりづらいですね。)
「出現」はサロン出展用に描いていた絵で、結局サロンには間に合わず、晩年になってその細線による装飾を加えて完成させたそうです。
大抵、画家の絵を見ると、その作者の性格が窺い知ることができるのですが、モローに関しては全く読めません。「エウロペ」、「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」なんかは明らかに完成形とわかる作品なのですが、他の作品では習作か完成形かわからないくらいタッチが荒いものもある。

ギュスターヴ・モロー「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」

習作もワンパターンじゃなく本当に色んな画材で描いてるし、タッチも全然違うし、本当のモローはどれって感じでした。あと、モローはお金持ちだったんだろうな(笑)。他の画家だったら本番用っていうくらい馬鹿でかいキャンバスを習作用に使ってましたから。
ただ、絵を勉強してる人にはすごくためになる美術展だと思いました。習作がとても充実していて、アイデアの出し方から、試行錯誤があって、完成に至るまでの課程まで見せてくれるような美術展だった。うん、今回影の主役は習作だったかもしれない。他の人の習作ってつまらないものが多いけど、この人のは幅が広くて面白かったですね。
あと今回の美術展には、普段美術館で見かけないようなタイプの人がけっこういた気がします。美術館てけっこうお堅い感じがして、行かない人って全然行かないと思うんですけど、神話やなんかを題材にしているせいか、入り込みやすかったのかなあ、なんて思います。
宗教絵画の清らかな神々や天使より、怪物とか妖艶で残酷な女を描いた絵の方がなんとなく面白そうだしとっつきやすいですよね。僕も若いからはっきりそういう反応しちゃいます。神話を知らなくてもゲームやなんかで一度は聞いた事ある名前の英雄や怪物がモデルになっているし。
日本にくるのはおばあちゃん好きする情緒的な印象派ばっかりですけど、たまにこういうのが来ると嬉しいですね。ボッスとかも来ないかな。期待しちゃいます。
今回キャプションを読んでてヘラクレスってイメージ変わりましたね。モローの描くヘラクレスって、他の画家のヘラクレスみたいに筋肉ムキムキのマッチョマンとは違ってすごくしなやかな筋肉で描いてるんです。それだけじゃなくて性格までちゃんと描けていて、英雄ヘラクレス、というよりは人間ヘラクレスだった。ヘラクレスは狂気の発作で、何度も過ちを冒して、その償いに神様に色んなところに飛ばされて、時には化け物を退治したり、女のいいなりになったりするんですよ。なんか出張にあったサラリーマンみたいだな、と思ってすごく親近感わいた。「ヘラクレスとオンファレ」なんて奥さんの尻にしかれる夫そのものでした(笑)。

ギュスターヴ・モロー「ヘラクレスとオンファレ」

しかしTBをつけてて思ったのですが、モローファンの方々は熱い!すごく詳しいし丁寧に書かれてますね。思い入れも強いようです。僕の知らないことがいっぱいあります。勉強しないとな、と思います。

以下、美術館レヴュー。

神話や伝説の世界を題材に、19世紀末のパリにおいて独自の耽美世界を構築した象徴派の巨匠ギュスターヴ・モロー(1826-1898年)。その煌めく宝石のような作品は観るものを魅了してやみません。本展は、モローが作品と邸宅をそのままフランス国家に遺贈したギュスターヴ・モロー美術館の珠玉の作品を一堂に会し紹介するものです。名作「一角獣」「出現」をはじめとして、初期から晩年に至るまでの油彩、水彩、素描など全279作品で、孤高の世界を築き上げたモローの耽美世界に誘います。
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  1. 2005/09/29(木) 01:57:46|
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MR CHILDREN 「I■(love)U」 全曲レヴュー

今回は前に書いたMR CHILDRENI■(love)U」の全曲レヴューです。一曲一曲の感想や過去の作品と比較した内容になっています。ファンにしかわからないかなりマニアックな内容なので(笑)、わかる人だけ読んで下さい。
I■(love)U


1.Worlds end
まずは「It’s a wonderful world」の「蘇生」のようなスケールの大きい曲で幕を開けます。I love youってアルバムのくせに最初の曲が世界の果てっていうのには突っ込みを入れたくなりますが(笑)、衝動で作ったというコンセプトを一番代表しているような曲。でも詞はよく練られてるな、という感じ。この曲の詞は自動販売機のくだりのところが見事です。人を機械に例えて、それがまた人に戻ってくる。比喩が往復するのがすごい。jenのドラムもタタン、タタタンと歯切れが良くてすごく気持ちいい。この曲ラストでいきなりプツッと終わるんだけど、PVではそこで部屋がコントの終わりみたいに壊れて、外の世界に男女が走っていくんですよ。あのシーンはかなり好き。うまいこと終わらせたなって。

2.Monster
「ボレロ」に入っていてもおかしくないようなちょっと危ない曲(Bradnew my loverとかの兄弟分かな。)。最近こういうの無かったですね。誇大妄想を抱いてる男の歌でサイコな犯罪者にいそうな感じのキャラクター。ライブでは「loveはじめました」みたいに狂ったパフォーマンスが見られるかも、と楽しみです。ミスチルではベースで始まるの珍しいですね。ちょこっと入るブルースハープのいやらしいこと、いやらしいこと(笑)。最後のサビで入るキューキュルルル、キューッキュー、っていう警告音のような音も不穏でいい。これが「潜水」というキーワードでラストに繋がるのは、「深海」っぽい。

3.未来
実は「四次元」で一番好きだった曲。CMでサビだけ聴いたときは、なんて王道!なんてポップ!って思ってたんですけど、CDが出てAメロ、Bメロを聴くと詞や歌い方は明らかにシングル用と思えないくらい毒交じりで、印象がガラっと変わった。詞にはスガシカオの影響が色濃く出てて、ボーカルの感じはbank bandでやった井上陽水の「限りない欲望」ですね。いい意味で裏切られた。最初毒づいて、サビで抜けた感じになるのは「光の射す方へ」にも通ずるところがあります。

4.僕らの音
この曲は秋にぴったりな曲。この枯れ気味のボーカル、賛否両論だけど、僕は好き。この曲には合ってると思う。桜井さんならこのキーはラクラク出ると思うけど、この歌の主人公のたどった経過や心境をダイレクトに表現するためにこのテイクを選んだのだと思います。自分じゃない部分を引っ張り出そうとしてる感じ。高音をきれいに出せるのはもう今までののアルバムで実証済みだし、常に新しいチャレンジをするのがこの人なんです。もともと浜省に憧れてた人で、わざわざ声枯らすためにウィスキー飲んでた人ですからね。同じような過去の作品で言うと、「simple」や「口笛」に似てるかな。古き良きJ-POPをおさらいにした感じが。

5.and I love you
たぶん誰もが認める名曲でしょう。イントロのコード進行は「ハレルヤ」。ファルセットの浮遊感がいい。CMで聴いた時は「傷つけ合うためじゃなく僕らは手を取っていけるかなあ 廻る答えは一つ」だと思い込んでた。
本当は「傷つけ合うためじゃなく僕らは出会ったって言い切れるかなあ 今わかる答えは一つ」。
映像のせいもあり、またタガタメみたいな社会派の曲かな、と思って、リリースされたら純粋に恋愛の歌だったのが記憶に残ってます。サビにあんなに言葉を詰め込んでいるあたりが「ねじれポップ」(昔、桜井さんが民生との対談で云っていた。一見、普通に聞こえるけど、よく聞くとすごくひねくれた作りのポップスのこと。)の所以でしょうか。Cメロの部分が一番好き。(どうしようもなく急に、のところ。)感情が昂ぶってく感じで。
実はファルセットはおとりで、これがやりたかったのではないでしょうか。テレビではいつもカットされるけど。あとこの曲のPV、今年の中で一番出来がいい。ミスチルは「youthful days」あたりからプロモにかなり力入れてるし、ハズレがないですよね。

6.靴ひも
Aメロはくるりのジョゼの曲みたいで、サビはスピッツみたいな曲。青いですねー。この曲。Bメロのじれったい感じの溜めから、サビで一気に解き放たれる感じが疾走感を上手く出してて気持ちいい。甘酸っぱい感じは「youthful days」と同系だけど、この曲はあまりフィクションは細かく描かずに、会いたいっていう気持ちをぐっと前に出したような詞の書き方。色に例えた恋愛表現は「シフクノオト」の「pink」を発展させたような形ですね。後半の「跳べ」と「天頂バス」のペア感覚といい、「シフクノオト」と「I ■(love) U」が連作と考えても面白いかもしれない。

7.CANDY
今回のアルバムの中で、一番好きな曲。一聴するなり、すぐに心をギュッてわしづかみにされました。「Q」でいう「つよがり」のポジションの曲ですね。「上手に包んでしまったものが飛び出したいと疼いてる」っていう詞がすごくキャンディっていう比喩を際立たせてる。
あと「夜更けにふと孤独が爆発する」っていうフレーズが新しい。こういう感動的なバラードで「爆発する」っていうダイレクトな言葉のチョイスは今までの桜井さんには無かった部分じゃないかなあ、なんてとても気に入っています。
あと打ち込みじゃない生の音がここでは聴けるので、メジャーであるが故のゴージャスなアレンジが多いミスチルの現在の音っていうのが一番出てるんじゃないかな。アレンジはスガシカオのバラードにありそうな感じです。この曲好きって人多いですね。

8.ランニングハイ
四次元で最初聴いたときは正直変な曲と思いました。イントロとアウトロはジャズっぽいし、桜井さんのボーカルは音外してるんじゃないの?と聴きまがうくらいにコースアウトぎりぎりまで声を張って歌ってる。シャンソンのようでもある。とっちらかった情熱をそのまま吐き出したような感じがあって「Q」に入っていそうな曲だと思いました。
だんだん聴きなれてくると、まるで子供が塗り絵の輪郭をはみだして好きなクレヨンで思い切り描いたような勢いが大好きになりました。
この曲は自分ともう一人の自分との対峙という内面のぶつかりあいで始まって、その衝撃で弾き飛ぶように前のめりに走っていく主人公の絵が見える。
サビはリズムの階段をテンポよく登っていくような気持ちよさがあります。
「玉虫色の衣装を見せびらかしてこう」っていう詞が上手いですね。このどっちつかずの主人公のキャラクターをよく言い当ててる。玉虫色って、はっきりしない色っていう意味で、一般的にあまりいい場面で使う言葉じゃないですよね。でも玉虫ってすごく綺麗じゃないですか。見たことあります?うちの母親なんて死んだ玉虫をタンスにしまってたんですよ。お金が貯まるとか衣装持ちになるとかなんとかで。
ここではそういういい面も悪い面も肯定した言葉として使ってるんだなって思います。
声に対するチャレンジはこの曲が一番そうかも。桜井さんの声の可能性をこれでもかと実験している気がします。

9.Sign
この曲は「シフクノオト」を総括した曲なので、前作からの橋渡しをする役割と共に、社会に対するメッセージ的な部分も強く出てる曲ですね。
僕が思うのは、この曲はラブソングという服を着せた環境に対する歌ではないか、ということで。
オゾン層もずっとオゾンホールっていうサインを出してたけど、何年も何もしなかったし、温暖化やなんかは目に見えないと僕たちは焦らない。大量に消費される資源のことや、動物が増えたり減ったりのこともそう。
そういうのも裏に見えるような詞の書き方にしたかったんだと思う。派手さはないけど、すごく誠実で優しさがにじみ出てくるような曲。
環境問題に対しても、大事な人に対しても愛するっていう気持ちは同じであって、それは向ける対象が大きいか小さいかという違いしかなくて、最小公約数は結局ささやかな愛である、そういう曲だと思います。
「緑道の木漏れ日が君に当たって揺れる 時の美しさと残酷さを知る」ってい部分はルノワールの絵画を思わすような美しい表現ですね。
関係ないけど「ハーモニー」っていう部分、井上陽水と玉置浩二の「夏の終わりのハーモニー(だっけ?)」のメロディーに似てると思ったのは僕だけでしょうか。

10.Door
2曲目の「Monster」とノックつながりでリンクしている曲。また随分通好みな曲ですよね。Doorの主人公がドアを開けるとMonsterの主人公が向こう側にいたら面白いなあ、なんて思いました。なんかサスペンスみたいな想像だけど(笑)。
ここでも桜井さんの声に対するチャレンジは表れていて、ブルースっぽくここではしゃがれ声で歌ってます。これはずばり「深海」でいう「So Let's Get Truth」のポジションですね。街頭で歌ってる感じといい、チープな機材で録ってる感じといい。

11.跳べ
この曲はアレンジのカラフルさや場面展開の多さから云って前作の「天頂バス」の兄弟分のような曲。「滑走路」っていうキーワードも含めて。ライブで「天頂バス」か「光の射す方へ」からこの曲に繋いだら盛り上がりそう。
この曲で云っていることは「It’s a wonderful world」の「one two three」と同じなんですが、Bメロで夢の話やビールの話など、根拠が無いことで人生が上手く廻りだすことをユーモア交じりに描いていて、コミカルな味付けになっています。サビにいかにして気持ちよく繋がっていくか、「and I love you」でもそうなのですが、最近の桜井さんの詞はサビで云いたいことがシンプルになった分、Aメロ、Bメロの詞がすごく凝ってて聴きどころかな、なんて思います。跳べって、跳べなだけに、まさか窪塚君への応援歌じゃないですよね(笑)。応援になってないか。

12.隔たり
男がコンドームを着けたがらない理由は陳腐だけど、女性が避妊したがらない理由というのは面白そうだ、と思って書かれた曲だそうです。それは子供がほしい時の場合にしかありえない。
こういう局面に遭遇することは人生においてもそんなにないことだし、すごくその瞬間を切り取った生々しい温度を持つ曲だと思います。男は決断を迫られる立場だけど「だけど悪い気分じゃない それに僕は応じる」という部分がすごくそういうときの本音を上手く表してるんじゃないかなあ、なんて思います。
あいにく僕はまだそういう局面は経験してないですけど(笑)。この曲はこう、シンプルな感じから、だんだんとオーケストラで広がっていく感じが「ボレロ」に似てますね。

13.潜水
お、こんな曲がラストなの?と思うくらい地味な曲ですが、繰り返し聴いていると不思議と飽きの来ない、いい曲と思えてきます。けっこう今回のアルバムは全体通すと、走ったり、飛んだり、跳ねたり、ドタバタしているので、ラストはすごくリラックスさせたかったのかな、っていう気がします。ボーカルもすごく力が抜けていて聴いててこちらも落ち着く感じ。水面が光をキラキラ反射しているような感じや水の中を深く潜っていく感じが音に出ていて、詞もなんてことないことを云っているのですが、イメージがポン、ポンと浮かんでは消えていくような、不思議な感覚があります。「赤、白、青、黄色」のトコなんて、ほんとに色が鮮やかに目に見える感じ。
「ピアノ叩いても音しか出ない」っていうのも説明的じゃなくて、いい言葉選びですね。
疲れてフラフラだけど、意識が飛びそうになる瞬間ってすごく気持ちいいですよね。こういう瞬間あるあるって思った。
電車の中で降りる駅が近くて起きてなきゃいけないけど、眠くて眠くて落ちそうな時とか、仕事の後にお酒ガンガン飲んでる時とか、お風呂でのぼせそうになってるときとか、こっちの世界とあっちの世界を彷徨ってる時の歌(笑)。「ああ、生きてるって感じ。」って言葉に全てが集約されてます。脳梗塞効果が一番発揮されてますね。(今回やたら「偏頭痛」って詞を使ってるけど、あれはサービスかな。)
  1. 2005/09/25(日) 13:48:47|
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K-1 WORLD GP 開幕戦

石井館長カムバーック!と心から叫びたくなるような腐敗ぶりのK-1 WORLD GP。誰のせいとは云いませんが、特に昨日の開幕戦はひどかった。
あのでかい連中なんとかならないんでしょうか。どうでもいいよ。もう。
あんなでかいだけで技術もへったくりもない下手な選手の試合をメインにするって。公共の電波でダラダラ流すって。誰があんな試合を望んでるって云うんでしょう。しかもあの連中は対した技量もないのに、でかいだけである程度は勝ち上がるから許せない。
一番腹立たしかったのが、セフォーとガオグライの試合を飛ばし飛ばしにしたこと。画面右上の、このあと、サップ対チェホンマン、ていうテロップのうざったいことうざったいこと。あの試合一番見たかったのに、カットって。あれがメインでしょ。他にカットできる試合あったでしょ。
たぶん共感してくれる人はたくさんいると思うし、非難ごうごうだと願うけど、編集が憎い。テレビ局という組織が憎い。
もともとK-1が大好きでPRIDEがなんだ、と思ってた人間としてはここ3年のK-1の腐敗ぶりは許せないです。それでも見ちゃうし。
イグナショフをあんなに押すのもよくわからない。影の優勝候補っていうほど安定してないと思いますけど。もっといい選手たくさんいるのになあ。マーティン・ホルムにマイケルマクドナルドに、あとミルコを連れて来れないのはやっぱりイタイですよ。もう天敵のホーストが戦線離脱したし、機は熟したと思うのですが。ああ昨日の話だ。話を戻します。
イグナショフ対ボンヤスキー。ボンヤスキーは本当にバランスのいい選手ですね。バネがあるし、調子にムラがない。本当に次世代のホーストという感じ。ただ不安な点はあって、それは若さ故の勝気の強さ。熱くなって突っ込んで行った時に隙ができる。逆にイグナショフはもっとがつがつ行ってほしかった。途中まで優勢だったのにもったいない。あの人スタミナないですよね。不思議ちゃんだし。芸術的な勝ちはとりあえずいいからもっと勝ちに執着してほしい。
バンナ対ゲーリー。ゲーリー好きなんだけど、昨日のバンナは強かったなあ。ゲーリーが勝っちゃうんじゃないか、と思ってただけに驚いた。ゲーリーの最近の戦い方として、最初相手に攻撃させるだけさせといて、打ち疲れたらそのあと一気に攻勢にでるというパターンがあるんだけど、昨日もそうしようとしたら思ったより効いちゃったって感じでしたね。
バンナはホーストに左腕を粉砕されてから、それを補うように蹴りや右腕が進化したように感じる。以前よりずっと攻撃のバリエーションが増えた。相変わらずビッグマウスだけど、勝ちに対する執着心は誰よりも感じる。明らかに心境に変化があったんだと思います。アグレッシヴだけどすごく慎重な試合運びをする。今のバンナは強いですよ。隙がない。
武蔵対ボタは、割とどうでもいいけど、ボタはローで倒した方がよかったのにな、と思いました。なんか武蔵はどうしても頭狙いで行きたかったみたいですけど。ボタはボタでハイキックのガードできないしなあ。ボタのかけ声は面白いから好きだけど(笑)ちゃんとパンチの数と合ってるんだろうか。ガードする時も「ぼう!ぼう!」って云ってましたね。ボタのぬいぐるみとか目覚まし作ったら買うね。ぼうぼう鳴るやつ。着ボイスとかないのかな。癒し系。
老兵クラウベ対巨人シュルト。不服だ。納得行かないです。誰ですか、この組み合わせ考えた人。くじなのか?クラウベさん、もう後先短いんだから決勝まで行かしてくれ。すごく好きなのに。最後の方でブラジリアンキックが出たときはシビれた。こんな晩成の人いるんですね。黄忠です。この人は。あの巨大格闘ロボはなしですよ。ズルイ。でかいくせに一番動きがいいし、戦い方がしたたかで汚い。それも強さなんだけど、クラウベに肩入れしてる僕からすると嫌だ―って拒否反応示しちゃいます。これはミーハー的な反応ですね。もろに。それは認める。とにかくここで消えるには惜しい男なんですよ。絶対に強いし、他の選手とぶつけてほしかった。今、脂のってるからもっとクラウベの試合を見たい。一番の持ち味であるブラジリアンキックが殺されちゃってたのが敗因でしょ。軌道を変えて落とすことで威力を発揮する技なのに、デカイから落とせない、かかと落としも使えない。ひどいなあと思った。ラスベガスの強さをもう一度。決勝のリザーブはクラウベとガオグライ希望。貞治今度こそ頼むよ。
アーツ対モーは面白かった。アーツは見た目からはわからない強さがある。あの弛んだ体のどこにあのパワーが宿っているんだろう。カーターも勝てなかったし、この人のってる選手の勢いを止めるのが上手い。アーツのローは相手の足を刈るようなローですね。もう初代K-1四天王はアーツだけになっちゃいましたね。淋しいけど、こうなったらがんばれ。
新人君の試合はカットしてくれてよかった。
ガオグライ対セフォー。セフォーカッコよすぎ。あの人ほどパンチのテクニックがあってエンターテイナーな選手はいない。常に客のことを考えて優勝はそっちのけだ。K-1自体がつまらなくなるとこういう、いい選手が一番かわいそうですね。総合行ってもいいぞ、と思います。絶対セフォーならどのフィールドでもやれる。体を絞ってスピードが更に早くなった気がしました。男前ですなあ。「逃げて、逃げて、逃げて、逃げまくれ。」ってインタヴューなんてカッコよすぎた。K-1で一番好きな選手ですから、もう。とにかく試合が面白い。それだけにカットしたのが憎い。ガオグライはなんでMAXに行かないんだろう。間違いなくあの階級なら一番になれるのに。ひょっとして面白いから誰も教えてやらないのか。
今年のガオグライはついてないですね。チェホンマンと当たったりセフォーと当たったり。この選手は日本人の体格でもヘビーでやれるってことを証明してくれてますよね。この選手ももっと見たい選手だから、ここで消えるのは実に惜しいです。セフォーが勝ってよかったけど。ぜひリザーブで。
最後のデカブツ対決は書く気もない。ヘッタクソな試合です。遅いしバテバテのどんくさい試合でした。
  1. 2005/09/24(土) 13:33:08|
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I■(love)U

先日、MR CHILDRENの「I■(love)U」がリリースされました。
I■(love)U

ここでは手の内を知られる気がして恥ずかしかったし、ミーハーだと思われるのが嫌で(笑)、あまり書かなかったけど、ミスチルは中学の頃からのファン。かなりの影響を受けてます。
今回のアルバムもすごく良くて、書かずにはいられなかったので書きます。
総評すると、これは「kind of love」の2005年版であり、それを「Q」の自分がわけわからなくなっちゃうような衝動で奏でたようなアルバム。
ここには、妻子のある桜井さんが書いたものじゃなくて、完全に恋愛の渦中にいる男の歌が何曲もあります。これまではミスチルの歌は桜井さんの成長過程を反映して変わってきたように思うけれど、これは桜井さんというフィルターを通さなくても一つの曲として成立している。
わかりやすいので云うと、「HERO」も「タガタメ」も父親の視点で書かれたものだったけど、今回のアルバムに収録されている、「僕らの音」「靴ひも」「and Ilove you」「candy」といった楽曲群はいずれも独身の男じゃないと書けないような歌です。中には思春期じゃないと書けないようなものさえあり、作品として非常に振り切れたものになっている。
bank bandの活動が相当いい影響を桜井さんに与えているな、と思いました。その、「wondful world」や「シフクノオト」には社会派に傾倒していく予感がちらちらあって、売れていることに対する後ろめたさにあると桜井さんは云ってたけど、bank bandをやることでその部分からかなり解放されたんだと思います。社会派の感じもそれはそれで僕は好きなんですけどね。
少しターゲットが年齢層高めでうん、うんと頷いて聴く感じが前二作とすると、今回はラブソングっていうポップミュージックの王道に的を絞っているため、エンターテイメント性に溢れていて、今思春期の子達にも共感できそうだし、ストーリーの中に自分を投影して聴くことができるアルバムに仕上がったと思います。
他にbank bandのいい影響として、歌へのこだわりがあります。今回のアルバムで桜井さんは相当自分の声に対する可能性を試している。その意気込みたるや凄い気迫を感じます。だからレヴュー誌にさんざん書いてある、衝動で作ったアルバム、っていう評は嘘じゃないけど、何も考えてないわけじゃなくて、下地にはもちろん培ったテクニックが生きてるし、相当したたかな狙いのあるコンセプチュアルなアルバムでもあると思います。大体10年もやってきたメジャーなバンドがラブソングっていう最もやり尽くしたはずのもので勝負するってこと自体、コンセプチュアル以外のなにものでもない気がする。
各曲で詞も明らかに意図的に同じ単語を使ってたりします。未来、告げる、潜水、ノック。これは深読みするとリサイクルを暗示しているのか・・・。それとも単純にアルバム全体の統一感を出すためととっていいのか。想像力をかきたてられます。
あと今回のジャケットすごく好きです。手垢まみれのものを生で出したような味がある。汚しが入ってたりして。言葉や理論に頼らないというアルバムのコンセプトをうまく反映していると思いました。歌詞カードがあんなに読みづらいのめずらしいですけどね(笑)。ミスチルのジャケットってけっこうパクったようなものが多いんだけど、(「wondful world」なんてデザインの教科書にそっくりなの載ってたし。「優しい歌」はマグリットだし。)今回のはいいですね。お気に入り。
今度一曲一曲簡単に感想を書こうかな。とりあえず今回はこんな感じで。

  1. 2005/09/24(土) 08:47:34|
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衆議院議員選挙が終わって感じたこと

もうだいぶ選挙が終わってから時間が経ちましたが、僕なりに感じたことを書こうと思います。
僕はマニフェストもちゃんと読んで、小選挙区の代表のウェブサイトも見て、当日は早朝から選挙に行ってと、いつにないくらい真剣に考えて投票しました。ここまで一票を投じるのに悩んだのは初めてかもしれない。
結果はご存知の通り、自民の圧勝で何故こういう結果になったか、もうテレビでもさんざんやったし、新聞やブログですごく詳しく説明されてる方もたくさんいらっしゃるので、あえて難しいことは云いません。一国民として感じたことを書いた方がリアルだな、とも思うので。
今回すごく感じたのはブログを自分で書いていてよかったな、ということ。政治をテーマにすると、適当なことが書けない分、勉強しようという気になるしそれは国民の一人としてとっても大事なことだと思うのです。
政治の報道って、何でもそうですけど、知っていることを前提として報道されていると思う。知らない単語や政策や法律などをいちいち説明はしてくれないから、国民であるこちら側にも勉強する義務があると思います。
よくある街角インタビューでどの政党の誰に投票したか、理由を聞いて回るような番組がたくさんやっていますが、大半の人の動機って浅いじゃないですか。政策がちゃんとわかっていて投票している人はすごく少ないし、(地方の人は郵政民営化に関して、実生活にリアルに支障をきたすため真剣だったと思うけど都心部の人は特にひどい。)ひどい人だと、あの人はなんか嫌いだから、とか好きだから、とか結局生理的な問題かい、と突っ込みたくなるような人が非常に多い。
とはいえ、選挙権に上限はないわけで、年配の人にもわかるような政治を政治家に望む気持ちもあります。本当に最近は横文字を駆使したような言葉がたくさんあるし、インターネットは情報をいくらでも取り出せる便利な道具だけど、年配の方には使えない方がいることも考慮してほしい。
だから政治家の中では、こんなこと知っていて当たり前じゃんていうことも国民には伝わっていないってことを理解しなくちゃならないし、政治家にはもっと誰でも理解できる言葉でしつこく説明する努力が必要だと思います。選挙の時だけでなく普段からもっと啓蒙運動に力を入れてほしい。
これは政治家に限らずそうですが、簡単な話を複雑にするのは得意でも、複雑な話を簡単にすることが出来る人は少ない。小泉さんは的を郵政民営化一本に絞ったからこそ、勝てたと思うし、造反組と徹底的に戦う、というわかりやすい大儀と構図を国民の前に引きずりだしたからこそ、ここまでの圧勝を引き起こせたのだと思います。
結局、岡田さんはそれに勝るパフォーマンスができなかった。党首討論でも話を逸らす小泉さんに対して、ストレートに追及するだけで、ボロを出させることはできなかった。
岡田さんは終始マニフェストを強みにして選挙をしたけど、マニフェストの視点からいうと、一番よく出来ていたのは共産党で、比較的詳しい数字も出せていた。憲法9条の改正に反対しているのは賛成できなかったけれど。
民主のは確かに一見正論を言っているように思えるけれど、甘い言葉ばかりで現実味を伴っていない。政権をとっていない政党が政権をとりたくて無理をして作ったマニフェストという感じでした。ほんとおいしいことをとりあえず全部書いてみましたっていうものなんですよ。それと非常に政策があいまいでした。特に郵政法案は郵貯・簡保が7割、民間で3割という微妙な縮小に留める、というはっきりしないものだったし、自衛隊をどうするかっていうことも、結局自衛隊は自衛隊のままでテロや弾道ミサイルに備えるってことで、具体的なことは書いてないし、政権とってから考えるっていう内容なんですね。
僕がどの政党も書いてなかったことで云うと、消費税は上げてもいい、ってことです。上げないっていうのは嘘だろ、と思うのです。有効に使ってくれさえすれば、国民は消費税を上げても文句は云わないと思います。医療機関のサービスをよくしたり、年金制度の改善に役立ててくれればね。
そもそも、今のままでマニフェストで選挙をするのは無意味です。前にも云ったけどあいまいな公選法を改正する必要があるし、第一公約を守らなかったところで罰則も何もないから、あんなおいしいことを箇条書きしたようなマニフェストになるんだと思う。選挙で当選したいんだから、おいしいことばかり書くに決まってるんです。国民にとって一時的に不利益なことがあるのは、当たり前で、そういうことがマニフェストに書いてないのはおかしい。
公約を達成できなかった時に罰則があったっていいと思う。そしたら無理なことは書かないと思うし。かといってその罰則が辞職や退陣っていうのは一番ナシですけど。なんか問題が起きた時に辞めれば済むっていう流れがあるけど、それで済むわけないんです。また選挙やってお金かかるんだから。辞めた人が居ても補わないんならいいけど。まあそんなことばっか云ってたら政治家になる人居なくなっちゃうかもしれないですけどね。
とにかく選挙っていうのは国民に色々なことを伝えなきゃいけないんだけど、一方で分かり難いものは一番良くなくて、上手いプロモーションのできる政治家が少ない。選挙と政治が今のところ上手く結びついていないですよね。野党の党首に対して小泉さんに文句をいう前に、じゃあもっと面白くて中身のあるパフォーマンスをすればいいじゃん、と思った人はたくさんいると思う。
それを一番に感じましたね。
僕が心配しているのは、これからの日本はアメリカとどう付き合っていくのかということです。小泉さんはブッシュと今は仲良くしているけど、未来はどうするのか。自衛隊を軍にするのにあれだけ反対する人が多いのはアメリカに利用され戦争に巻き込まれることを危惧しているからだと思います。元を正せば、実質的な軍事力がないから日本は北朝鮮からも中国からもなめられるわけですよね。そしてアメリカと仲良くしなきゃならない。日本車や牛肉のことで圧力かけられても。僕は日本がアメリカの植民地だと自覚するなら、それもよしと思うしかないと思うけど、そうじゃないなら自立することにもっと力を入れるべきだと思う。軍隊を持っても、絶対に攻めるためには使わない、そういう意志があれば、そうするべきだと思います。別に過激派じゃないけど、自衛隊っていう響きはヨソの国からしたらちんぷんかんぷんだと思います。軍と名乗れば他国へのけん制にもなるわけだし。でも正直、これに関しては100%軍にすればいいとは思ってないです。やっぱり迷いはある。そこで、思うのは日本が攻め込まれないための何かを作ることです。スイスにおけるスイス銀行のような世界で唯一無二のもの。まあかなり難易度の高い話だけれど。
こういうとあれだけど日本が攻められてもあまり誰も困らないですよね。
例えば石油に代わる新しいエネルギーの開発ですね。ブラジルではエタノール燃料がガソリンの売り上げを初めて上回ったという素晴らしいニュースがあったけど、日本でも確か山形で、さとうきびからエタノールを抽出する技術が開発されているらしいです。しかもしぼりかすも無駄なく肥料やなんかに使えるらしい。
他にはノルウェーを見習って潮力発電に力を入れるとか、対馬海峡とかでできないんですかね。風力発電に比べて騒音の問題が安心だし、エネルギーが安定している。一機一機の値段も安いらしい。海の生物に与える影響に関しては危惧されているけど。
温暖化問題でも、二酸化炭素を吸収する光合成シートの開発がされているらしいし、これらが将来、地球だけでなく、日本を核の脅威から救うかもしれない。
攻められた時に自衛する考えから、日本を責めたいとどこの国も思わない国にする、という考えに転換したらどうでしょう、という提案です。
今日本の自給率は50%を切って輸入に頼っているけど、これもできるだけ自分の国でまかなえるようにしてほしいものです。第一産業である農業は今までないがしろにされてきたけど、食っていうのは最低限の生活を約束するものですよね。食を頼っている以上、アメリカとは手を切れないと思うのです。つまりは軍事と輸入、これを何とかしない限りアメリカとは腐れ縁が続くわけです。
新規で農業を始める若者には最大の保証をしてやってほしい。本当は一番大事にされるべきで、ダサいはずもないし、直接的に国民の生活を支えているのは農業です。農家のおじさんたちが戦争から日本を救うという考え方は素敵と思うんです。
  1. 2005/09/19(月) 23:21:13|
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初秋

ここ何日かでやっと厳しい暑さも過ぎ去り、涼しくなってきました。
朝、夕なんて寒いと思う日もあるくらいですね。たぶんこれからはあっという間に冬になっちゃうんだろうな。束の間の秋を満喫したいなと思ってます。
涼しくなっただけでけっこう気分がすっきりするもので、最近は夜更かしも控えめになり、早寝早起きになりました。気候が変わっただけで嗜好が変わるから人間て単純ですよね。
夏は暑くて考えたくなかった色々な宿題をこれから一気にやってしまおうと思ってます。
  1. 2005/09/18(日) 15:42:41|
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ドレスデン国立美術館展-世界の鏡

本日、国立西洋美術館で開催中の「ドレスデン国立美術館展-世界の鏡」に行って参りました。僕すごくでぶしょうなので、また会期終了間近なんですけど、去年フェルメールを見逃しているので、今年こそ絶対見るぞ、と意気込んで行ってきました。リベンジです。
今回もう、フェルメールしか見る気はなくて、他はとりあえず飛ばし見して、まずフェルメールから見ました。上野の美術館て広くて階段多いじゃないですか、フェルメールに辿り着くまでに疲れるとかは絶対嫌だった。

フェルメール「窓辺で手紙を読む若い女」

フェルメール作「窓辺で手紙を読む若い女」。フェルメールは自分が好き、というよりは、本物を見た人の感想がとにかくいいから絶対見た方がいいよ、というもので一致しているので、いつか見なきゃ、という感じだったんですが、今まで縁が無く、実は今回がファーストコンタクト。
それでまず思ったのは、そんなに大きな絵じゃないんですけど、確かにすごく存在感のある絵です。美術書では何度も見ているけれど、これは本物を見ないとよさが読み取れないかもしれない。
印刷の中で見るフェルメールは、すごく繊細で細密でアカデミックな印象だったのですが、実物を見るとその印象はぶっとびます。思った以上に迫力があって、トリッキーで、見れば見るほど不思議な気持ちになる絵です。とにかく第一印象は変な絵。もちろんいい意味です。こんな気持ちにさせられたのは初めてのことです。
もちろん細密なところは細密なんですが、そうかと思えばやけに大胆に色を乗せて描いていたりもする。だから、繊細なのが好きな人も迫力があるのが好きな人も取り込んでしまうのかな、なんて思ったんですけど。
構図の面でも覗き見る形をとっていて、デザイン科にいた頃、やたらとキャッチ・アイ(商品などでいかにして人の目を引き付けるかという工夫。)の重要性を教わった気がするけど、この人はあえて遠ざけることによって見たいと思わせる。それが引き付けられる原因かもしれないです。
右手前の緑色のカーテンにトロンプ・ルイユ(だまし絵)の手法が使われていて、(まるで鉄製のカーテンかと思うくらい硬質に描かれています。)テーブルクロスと共に、少女と鑑賞者の間を遠ざける障壁として一役かっています。
フェルメールのこの絵を見ると、色んなものと繋げて考えてしまいます。
例えば、この人間心理を逆手に取った覗き見る感覚はヒッチコックの「裏窓」という映画のカメラワークによく似ているし(素晴らしい映画です。見てない方はぜひ。)、光を自在に操るという意味ではレンブラントに通じるものがある。現実を画面の中で再構成するところはセザンヌに似ていると思います。特にたっぷりとしたテーブルクロスは重心をコントロールする役目までセザンヌのそれと似通っている。グイドレーニをフェルメールが知っていたかもしれない、という説が「美の巨人たち」でやっていたけど、ひょっとしたら今挙げた巨匠たちがフェルメールを知っていたら、なんてことに思いを馳せてしまいました。素晴らしい芸術はどこかで繋がっているものだと思うのです。
だいぶ前の話なのでご存知の方もおられるでしょうが、「美の巨人たち」で最も美しいと思う女性の絵の投票をしたところ、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」がモナリザを破って堂々の一位に輝きました。きっとこの二枚が一位二位ということは人の心に残る美しさってうわっつらじゃないんだな、ということだと思います。モナリザには天使と悪魔が同居しているし、真珠の耳飾りの少女はこちらと視線がクロスして、何か緊張感のようなものを突きつけてくる。一つはっきりしていることは美しいものを見るのは、こちらにも覚悟と体力が必要だということですかね。決してラクではありません。何か試されている気になる。
脱線しましたが、久しぶりに息継ぎするのを忘れて見入ってしまいました。テーブルクロスの描写は眼鏡をかけても追えないくらい繊細で見事なものだったし、窓にかかっている赤いカーテンは何か生き物みたいだったし。一つ気になったのですが、テーブルクロスと緑のカーテンの裾に何かキラキラ光る繊維(砂糖の粒のようなもの。)のようなものがあったのですが、あれがなんだかわかる人がいたら教えてほしいです。あれなんだったんだろう。他の部分には無かったように思います。一枚の絵でこれだけレヴューが書けるのもすごいけど(笑)。はあ。

他にもいいものはたくさんあったんですよ。結局フェルメールのあと、もう一回、全部見ましたから。ティッツアーノにレンブラントの大作に、デューラーの「ネメシス」という超細密エングレーヴィング。ポップなマイセンと渋い伊万里の対比もよかった。マイセンの「アジア」という磁器人形も面白かった。バルタザール・デンナーという画家の老女の絵もやけに生々しくて怖かったし(笑)いや誉め言葉ですよ。味のある地球儀や、やたらと使いにくそうな、剣やフォークも美しかったし、フリードリッヒはいつも通りドラマがかってたし、色々よかったんですよ。でもでも、今回は明らかに主役はフェルメールで、対抗馬のレンブラントさえ霞んで見えました。
帰りに今回のチケットで常設展タダで見られるというので、寄って帰りました。子供の頃、見に行った記憶があるけど、完全に忘れてました。こんなにすごい数のコレクションありましたっけ。びっくりです。印象派はほとんどそろってるし、相当古いマニエリスムの画家から、ドラクロワ、グレコ、リューベンス、藤田、スーチン、エルンスト、クールベ、ルオー、ナビ派、ラファエロ前派まで何でもあり状態。今度常設展だけ見に行こうかな。志半ばで閉館時間になり、駆け足で見る羽目になりました。もうおなかいっぱいだあ。
  1. 2005/09/13(火) 21:33:18|
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新生dada savanna

衆議院議員選挙終わりましたね。まだ何も触れてないけど、そのうち、感想なんかを書こうと思ってます。

ところで、イラストを紹介している自サイト、「dada savanna」をやっとリニューアルしました。無理して次世代推奨のXHTMLで作ったので思った以上に時間がかかってしまいましたが、今まででデザイン的にもソース的にも一番出来がよくなったと自分なりには満足しています。どんなPC環境で見てもバグがないはずです。(恐らくですが。)
ついでにウェブスペースのお引越しまでしました。初のお引越です。今までのものを、いっせいに変えなきゃならなくて大変なんですけど、こっちのほうが広告が入らないというメリットがあったのでがんばっちゃいました。
やっぱりいい絵を描くことも大事なんですが、サイトのデザインがダサいとその時点で引かれちゃうと思うんで、もうこれ以上いじらなくてもいいくらい、出来のいいサイトを作ろうと意気込んで今回は作り始めました。
それでかなり他のカッコいいイラストサイトを見て回ったんですが、デザインはカッコいいけど、ギャラリーに辿り着くまでやったら飛ばなきゃいけないサイトとか、いちいちポップアップで開くサイトとか、フルフラッシュでやたらうるさいサイトとか、見る人のことをあまり考えてないサイトが多いんですよね。ひどいところだとフレームを駆使して、無茶な命令を出してるがため、バグりまくりのサイトとかもありました。
これは余談だけど、IE(インターネットエクスプレス)がこれだけ広まっちゃたのが、そもそもいけないんです。IEってバグを強引に表示させちゃうんですね。だからそれを利用して滅茶苦茶なタグ要素が出回ってしまってるんです。そのバグはどこでもちゃんと表示できるわけじゃないけど自分のブラウザでは表示できているから間違って使っている人が非常に多い。HP初心者作成入門、とかっていうサイトがよくあるけど、そういうサイトで教えてることがすでにデタラメなんですよ。
脱線しましたけど、その辺も考慮して、デザイン的にもダサくなくて、機能的で、SEO対策(来訪者の方をいかにして目的のページに辿り着かせるか、という対策のこと。)もしっかりしている、そういうサイトを目指しました。まだまだだとは思うけど、一応現段階の知識でやれるところまではやった感じです。
新たに素材もかなり作ったし、本当大変でした。
ちなみに新しいTOP絵のキャラクターは、「環境改善ロボットi-love」と云います。この前、友達にロボットの絵とかないよね、と云われたので描いてみました。僕のロボットはガンダムとか攻撃的なロボットじゃないのがいいな、と思って、風力発電で動くお掃除ロボットにしました。
バナーも色々作ったのでリンクしてもらえたら嬉しいです。
  1. 2005/09/13(火) 13:22:04|
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HERO'Sミドル級世界最強王者決定トーナメント

先日、HERO'Sミドル級世界最強王者決定トーナメントを見ました。
HERO'Sは改めて思ったのですが、ヤバイ。面白い。HERO'Sが他の格闘技イベントと一番違うのは日本人が強いところですが、個性派そろいでスピード感があって華があるところがいいです。
しかも今回はドリームマッチの目白押しで、PRIDE GPの時にもう使っちゃった言葉だけど捨て試合なしのベストバウトの連続でした。前田日明はすごい。
須藤選手対宮田選手の試合は宮田選手の進化が窺える内容でしたね。宮田選手は身体能力はすごいんだろうけど、イマイチ決め手がない、相手をしとめる技がないというのが気になっているんだけど、レスリングのいいところが何度も垣間見れたので、やっと開花してきたな、と思いました。ボクシングをもっと身に付ければ本当に強くなると思う。
須藤選手はなんだかんだいってここぞというところで仕留められる力を持っているので、経験とゲーム運びの差で上手だったな、と思います。柔道のバックボーンもあるしな。ただこの時点で、ワンマッチが須藤選手は多くて、そこでは確実に勝利を収めているのですが、グランプリを勝ち抜くためのスタミナがあるのかは心配でした。
レミギウス選手対高谷選手は、レミギウスがグラウンドは全くできないということを露呈するための試合になっちゃいましたね。僕はレミギウス選手の実力を相当高く買っていたのですが、そういえばグラウンドのレミギウスは見たことが無かった(笑)。あんなに簡単にマウント取られるしガードできないし、ダメだ、こりゃ。立ち技では圧倒的なスピードと強さを持っている選手なので、K-1MAXの方でやったらいいんじゃないかと。高谷選手だって別にグラウンド上手くないのにあのザマじゃなあ。がっかりです。
KIDとホイラーは気持ちよかった。KID最近表情が固いから心配だったのですが、久しぶりに文句なしのKO勝利ですね。芸術的な右フック決まりましたね。なんであんな場面であのパンチが出せるんだろう。膝を若干、顔にくらいながら、それでも手を引っ込めないで打ち抜ける、あれはもう格闘センスがズバ抜けてるとしかいいようがないですね。リングの上の閃きを大事にしたいというKID選手ですが、それができる人間はわずかで、普通ならそれに頼っていたら負けちゃうと思うんですよね。
所選手にも同じ事を思ったけれど、ピンチと思うような場面に限って守りじゃなくて、攻めにいって劣勢を優勢に変えてしまう。これはもう強い選手の条件で、駄目な選手はピンチのとき背を向けてしまうんです。(勝負を)決められる場面で決められない選手なんて論外なわけで。
宇野選手対所選手の試合、僕これ一番面白かったですね。所選手、ファンになっちゃいそうです。実は僕の予想では宇野選手が優勝かな、と正直思っていたんですが、ここで思った以上に宇野選手は体力を消耗したと思います。ギロチンの帝王ノゲイラを大金星で破った所選手ですが宇野を相手にしても、全く引けをとらなかった。試合は常に宇野のペースであり、終始攻め続けていたけれど、ふとした瞬間に所が間接を狙ってくる、という展開でした。その所がたまに出す技のタイミングが全く予想がつかないんです。宇野は経験があるし、すごくバランスのとれたいい選手なので外せたけど、並の選手だったらあっという間に決まってしまったと思う。すごく芸術的な技の持ち主。あれが決まっていたら、どんなに素晴らしいだろう。いつの間にか所に感情移入して、がんばれって応援してるんですよ。ひょっとして!っていう大逆転の可能性を期待させる珍しいタイプの選手です。でも宇野は後ろから組み付いて殴ったり技かけたり試合をコントロールするのが上手いですね。所選手は背後を取られないように気をつけないといけないですね。試合後、お互い頭を下げて礼をしたのが、とても微笑ましかった。そう、今回負けた選手はそれはそれで光ってましたよね。宮田しかりホイラーしかり。
須藤選手はその後、高谷選手との試合、スタミナ切れが目立ったけど、やっぱり強いですね。行く場面で行ける選手ってのは。バタービーン戦と同じような作戦でしたね。回ってかく乱、ラストは締めるという必勝パターン。
KIDと宇野は一番見たかった組み合わせで事実上、決勝戦のような豪華な試合だったと思うのですが、KIDが徹底的にグラウンドを拒否して、勝ちに行きましたね。組み合わせだけでも鳥肌モノでした。宇野は立ち技相当練習してきたのではないかと思います。グラウンドで勝負できたらわからなかったですけどレフェリーが入らくても、あのパターンに入るとKIDが勝ってたでしょうね。レスリングやってただけあって倒されないようにするのがうまいなあ、KIDは。ここはもう一回ワンマッチでやってほしいです。宇野が全開だったらもっと色々できたと思うんですよ。KIDは気持ちいい勝ち方ですごく波にノッてたし。
しかし、決勝のみ大みそかでやると言い出し、番組が終わってしまったのはびっくりです。ここまでやったら最後までやってほしかったなあ。
きっとこのまま決勝やってたらKIDが間違いなく優勝を持ってっただろうけど、持ち越しで須藤元気は間違いなく救われただろうと思います。スタミナ切れてたし、ワンマッチには強い選手ですからね。これでまたわからなくなりました。
  1. 2005/09/10(土) 01:34:35|
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フィリップス・コレクション展

先日、六本木ヒルズにある森美術館フィリップス・コレクション展に行ってきました。
いつも通り会期終了間近に慌てて行ったのですが、もうサイコーでした。僕は日本に滅多に来ないスペインの画家、エル・グレコの絵がお目当てだったのですが、他にもいい絵を挙げたらキリがないってくらい、全体的に充実した素晴らしい美術展でした。TBSビジョン主催なんですね。
以下、展覧会のレヴュー要約です。

ルノワール「舟遊びの昼食」

ダンカン・フィリップス(1886-1966)はアメリカの裕福な家庭に生まれ、エール大学在学中に美術史を学び、多くの美術評論を執筆しました。
ヨーロッパを幾度も旅行し、絵画作品の収集を行ないます。自身のコレクションを「アメリカのプラド美術館」にすることを目指し、世界有数の個人コレクションを築き上げました。
1930年に邸宅を美術館として公開し、現在では所蔵品は約2400点にのぼり、世界中から美術ファンがやってくるようになります。
今回の美術展では、ダンカンがコレクションの中核にすべく購入したルノワールの「舟遊びの昼食」をはじめ、エル・グレコ、ゴッホ、セザンヌ、ピカソ、マティスなどの絵画56点とロダン、ジャコメッティらの彫刻4点を一挙に公開しています。(美術館改修のため。世界中を廻り、日本にもやってきたのです。)
17世紀から20世紀に至るまでの西洋美術の流れを実体験できる、まさに「アートの教科書」と呼ぶにふさわしい展覧会と云えます。

とここで感想に戻りますが、個人コレクションの美術展というとすごく収集家の趣味がはっきりと表れるので、いい場合と悪い場合があるのですが、今回は前者です。ダンカン・フィリップスさん、すごく趣味がいいです。
レヴューにはありませんが、他にも、ドラクロワ、アングルの小品やゴヤ、コロー、クールベ、マネ、ルソー、シスレー、ドガ、ルドン、シャヴァンヌ、ゴーギャン、ココシュカ、クレー、カンディンスキー、それから特にドーミエやボナールの油彩にはかなり力を入れて集めていたようで、大作も数点ありました。幅広く美術史の流れを考慮して集めているのですが、好きな画家はすごくはっきりしている、そんな印象でした。
しょっぱなから、エル・グレコとゴヤがお出迎えで、この対比すごくよかった。コントラストが効いていた。「悔悛の聖ペテロ」という同じテーマで描かれた絵なのですが、両者とも確固たる自分があり、特異な人生を歩んだ二人の絵なので、存在感が凄いんです。とにかく強い絵だなあ、と思いました。グレコは引き伸ばした人物にしなやかな筋肉の描写、激しいコントラストに、劇的な構図。一方ゴヤはいぶしぎんの渋い色使いに、岩のような人物の輪郭、不動の三角の構図。男らしい二人の対峙でした。

エル・グレコ「悔悛の聖ペテロ」

アングルは意外だったんだけど、部分によってはけっこう盛り上げて描いてるんですね。
コンスタブルの絵は初めて見たのですが、具象と抽象の間をとったような絵で、ギリギリ具象の形を保っているような面白い絵でした。
それからドーミエのこれまた強い油彩画。こんなにドーミエの絵に力をいれている収集家も珍しいと思うのですが、ドーミエというと新聞の風刺画が有名で、(この人は本当は油彩を描きたかったのですが、お金が無くて仕方なく風刺画を描いて食を繋いでいた。)他の美術館で見るドーミエの絵というと、小品が多いのです。それで「蜂起」という大きい絵があるのですが、こういう大作でこそ、ドーミエは活きるな、と思いました。この人の風刺画で培った、とらえどころのない線は素晴らしいです。僕はロートレックの線にも匹敵する上手さだと思っています。
マネの中間色のない「スペイン舞踊」という絵も異色で面白かった。
モネは二点しかないというのになんだかんだいって色彩センスではダントツ一番抜けていて、圧倒されてしまいます。この人ほど一般的に好かれている画家も居ないだろうし、もうさんざん見てきた絵なのに見るたびに新鮮さがある。近づいてみたり、離れてみたりでの驚きっていうのはある種トリックアートにも通じるものがあり、色彩の魔術師という表現がぴったりです。色に対してのこだわりには神がかったものがあって、反省に至ります。これくらい素晴らしい色へのこだわりがほしいですね。

モネ「ヴェトゥイユへの道」

ボナールもいい色彩センスを持ってるんだけど、モネと比較してしまうと物足りなさを感じるのは僕だけでしょうか。
失明寸前のドガの絵は画家としての覚悟というか、魂を感じる強さがありました。
そして今回の美術展のメインを飾るルノワールの「舟遊びの朝食」。一画区切って、ドドーンと展示してあります。絵の前には人だかりが。130.2×175.6cmという大作です。すごい。はっきりいってルノワールの絵でここまで感動したのは初めてのことでした。
ルノワールというとキャンバス地が見えていたり、やたらと薄い印象で本物を見ると、今までどちらかというとがっかりすることが多かったんです。印刷の方がいいと思うくらいで。でも今回の絵はすごく力の入った迫力のある絵でした。一人一人のポーズや華やかな色使い、透き通るようで肉の質感たっぷりなこれぞルノワールという健康的な肌、お酒のボトルやグラス、果物など小物の一切手抜きなしといえるような的確な描写。風俗や習慣を写し取るという意味でもとても興味深かった。絵を見つめていると、絵一枚の中に世界が広がっていて、まるでその中に入っていけそうな雰囲気があるんですよ。絵のどこを切っても絵になるというかとにかく、ルノワールという画家の本質はこれなんだ!と目から鱗が落ちる気分でした。今回一番感動した絵でした。「ムーランドラギャレット」に匹敵する絵ですよ。これは。
あとゴッホもよかったし、セザンヌも大好きだな、セザンヌの絵って深い。空気を変えるんですよね。どこにあってもどんな気持ちで見ても、そこだけセザンヌの時間になる。他とは一線を画す、そういう絵ですね。人物であろうと、静物であろうと、風景であろうと、絵を構成する一つの道具として捉えていて、単純な感情に流されない硬質な芸術哲学がある。感傷的な気持ちに付き合わない硬派な絵というか。そんなに大きな作品はないのに思った以上に圧力を感じるんです。色も構図も形の捉え方も全部勉強になる。唸って見てしまいます。一番お手本にしたいのはセザンヌだったりします。さすが近代絵画の父。

セザンヌ「ザクロと洋梨のあるショウガ壺」

ゴッホ「道路工夫」

クレーやカンディンスキーは装飾やデザインとしてみると面白いですね。主張が少ないから部屋に飾るのはこういう絵がいいですね。ジャコメッティの彫刻は面白いですね。笑いそうになった。でも好きです。
一周目は裸眼で回って、(印象派は目のピントが少しずれてるくらいの方がより真実味を帯びて見えるんです。目の錯覚を利用した絵なので。)二周目は気に入ったものだけを眼鏡かけて細部までじっくりと見ました。すごく勉強になったし、純粋に楽しかった。作品の数も多すぎず、少なすぎず、ちょうどいいし見せ方もよかった。森美術館は帰りに土産屋を三つくらい通らないと帰れないのが疲れるけど、それ以外は最高でした。
本当に素晴らしい美術展で今年見たものでは一番よかったです。

  1. 2005/09/07(水) 21:01:53|
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夢のチョコレート工場

夢のチョコレート工場をケーブルで見ました。
9月10日公開のチャーリーとチョコレート工場の元版です。
1971年作品なんですが、非常に面白くて素敵なストーリーだな、と思いました。イギリス版の、注文の多い料理店みたいな話でした。英国の児童文学書でハリポタ、指輪についで第三位だということで、原作の良さはお墨つきなのですが、映画も面白かった。当時にしてはとても前衛的な作品だと思います。
ティムバートンの世界観とリンクする部分も多く、かわいらしくファンタジックなのにダークな部分がある。
1971年作品なのでロゴとかはレトロでかわいいんだけど、ぶっちゃけセットがしょぼいので、これをティムバートンがどう演出するのか、見ものです。くりぬいたカボチャや骸骨や細長いフォルムや切り絵のようなシルエットを今回も駆使してくるのでしょうか、ワクワクします。
元版はワンカ役をジーンワイルダーが演じていて、ミュージカル調に仕上げていますが、ジョニデが演じるのは本当にぴったりだと思いました。クセのある仕草や芝居がかったセリフが多いので、そういうの彼似合いそうだもんねえ。
歌ったりするんでしょうか。一応ジョニデはロックスター目指してたから、歌えるんだろうけど。CMやポスターを見る限り、すごくハマってましたね(笑)。
あまり内容には触れないでおこうと思いますが、ざっと物語の導入部を。
レシピを盗み出そうと敵対企業のスパイが現れるくらい、おいしいチョコレートで評判のワンカ社っていう会社があって、レシピを盗み出せないようにワンカ社は工場を完全閉鎖状態にしてしまいます。
そんな時、ワンカ社のチョコレートに世界中で5枚だけ当たりの金の券が入っているというニュースが報道されます。当たればワンカ社の秘密の工場を見学できる上に、一生分のチョコレートを手にできる、というおまけつきです。
ラッキーな5人の子供たちがその金のチケットを引き当て、工場内で摩訶不思議な体験をする、あらすじはそんなところです。
僕がプロデューサーならきっと映画のチケットを金のチケットにします(笑)。
ユナイテッド・シネマとしまえんではこの映画のためにチョコレート味のポップコーンを販売するそうです。これもドキドキ感を高めてくれそうです。あともう少しで公開。楽しみだー。
そういえばジョニさん、来日しましたね。まだいるのかな。テレビは何故か未だにヨン様びいきだけど、報道陣の数は同等だと聞きます。秘密にしてたのにすごい人集まっちゃって、本人が一番びっくりしてたらしいです。
ジョニさん普段は小汚い格好ですが、あまり気合入ってないとこが彼らしい。演技で役作りバリバリしてるからプライベートはダルダル脱力系でいたいのかも。来日時と会見時でTシャツしか着替えてこないし。笑った。いいですよね。
  1. 2005/09/05(月) 12:43:11|
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PRIDEミドル級GP&ヘビー級タイトル戦。

もうテレビでも放映されたので、PRIDEミドル級GPの感想を書きます。
先日スポーツバーで地上波より一足先にこの大会を見てきたのですが、結局地上波でも見てしまいました。
やっぱりミルコ対ヒョードルのヘビー級タイトルマッチ一番面白かったですね。特に1R。2、3Rは両者とも攻め手を欠いてバテが目立ったように思います。
スポーツバーで見た時は、ミルコの方が疲れが激しいように見えたのですが、家で見直すとヒョードルも後半はだいぶ疲れてましたね。改めてミルコの怖さを感じたというか、終始上になっていたのはヒョードルなのに、ミルコを押さえつけるのや、攻めあぐみで相当体力を消耗したことでしょう。
いつでも打撃の恐怖が付きまとうというのはイヤなものです。ヒョードルは顔に出さないけど、だいぶ出すはずの打撃に警戒して決着を急いでいた。ミルコくらいの選手になると攻撃を出さなくても、いつかすごいのが来る、というプレッシャーを終始与え続けることができると思うのです。死せる孔明仲達を走らす、って云うように。
全てにおいてヒョードルはミルコの一つ上を行っているように表面的には見えました。スピード、パワー、スタミナ、総合での経験。けれど実はヒョードルも相当追い込まれていたと思うのです。あんなに上になったのにとどめをさせなかったり、あんなに顔を腫らしたり、スタミナ切れするヒョードルを見たのは初めてでした。
ただ、もちろんヒョードルはすごかった。すごすぎた。正直ここまでか(ここまで強いのか)と思ってしまったのは事実です。
特に打撃。間違いなくK-1でもやれる。パンチのスピードはミルコより上だと感じました。重さで云えばミルコなんだけど、ヒョードルのジャブってテレビ越しでも見えないくらい早い。
両者共にヘビー級のスピードじゃなかった。めちゃくちゃハイスピードで度肝を抜かれた。ただヘビー級があのスピードで動き続けるのは1R、せめて2Rくらいが限界なのかも、とも思いました。まあ、この暑さじゃ無理もないか。
特に3Rは凌ぎを削ったせいで、お互いに技にキレがなく、とどめをさせる場面でさせなかったと思うのです。
僕は結局ヒョードルにはあまり思い入れができないんです。何故か。ミルコはK-1時代からずっと見てきたから、なんか見終わってせつなかった。けっこうミルコ好きだったんだあって試合終わってから思いました。
僕はPRIDEだとノゲイラが一番好きだから、最初どっちが勝ったっていいな、(どっちも敵だし。)って思ってたんですけど、ミルコが負けると感傷的になったのは意外でした。
僕はノゲイラがいつかやってくれる(ヒョードルを)と信じてますよ。ただ打撃の選手の方が対ヒョードル向きなのかも、と今回ので思った。寝技をあの人から取るのは大変ですね。総合デビューしたハントやセフォーあたりとやらせたら面白いかも。
余談ですが、ヒョードルとミルコ、戦う前から戦いが始まっててお互い汚ねえなあ、と思ったんですが、ヒョードルは故障してるっていうデマというかブラフを流すし、ミルコは試合の前日、会見に寝坊って嘘ついて出ないし、(ヒョードルだけ会見に出して疲れさせるため。)強い人って皆、卑怯ですよね(笑)。宮本武蔵も実際そうらしいし。フェアなんて云ってちゃ生き残れないのかなあ。
今回ミドル級のこと書いてないですね。シウバとアローナが一番面白くてアローナは本当に強いなあ、なんて当たり前のこと思いましたけど。上になった時のバランスがすごく安定してて力の強い選手だなあっていう印象です。あとイケメンだなあ(笑)。僕アローナってよく知らないんですよ、実は。寝技の世界王者で無差別で優勝したって言われてもあの戦い方じゃ想像できないっすね(笑)。でも相当実力が拮抗してて見応えがありました。
シウバが悪いムードに持っていかれちゃったな、と思います。なんか今回シウバが最初緊張しているように見えたんですけど。一つ目のテイクダウンで完全に流れをアローナが掴んでしまって、もうあとはこらえるしかないという状態でしたね。しかしシウバがショーグンと世代交代みたいな云われ方をしてたけどまだ29ですよ。カレ。まだ早いんじゃ。見た目がそうは見えないかもしれないけど。
ショーグンは、なんかあまり好きじゃない。踏みつける戦い方があまり芸術的じゃない。強いのは確かですけどね。調子にのるとどんどん強くなるタイプの選手ですね。でも若いからムラがあるなあと思った。アローナにあんなに完勝したくせに、オーフレイムに危なっかしい場面を見せるっていうのが。正直アローナ優勝だと踏んでましたもん。
ミドル級は弟ノゲイラが残ってたらまた全然違うものになっていたろうなと思います。ショーグンが一番苦戦してたのは弟君だったので。
他にも面白い試合がありましたね。タンクアボット対吉田戦とか。吉田のヒザとかハイキックとかありえなかったですからね(笑)。いつか打撃で倒す場面だって見られるよ、きっと。
中村とボブチャンチンも面白かった。中村は一番、打撃と柔道のバランスがいい選手だと思うんですよ。今回はボブチャンチンがかなり寝技に警戒したせいで決まらなかったけど、あの高速の十字は使える。
とにかく非常に密度の濃い試合が多かったですね。
  1. 2005/09/05(月) 07:56:22|
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公選法

先日、衆議院議員選挙でウェブサイトの話題に触れたのですが、早速問題になってますね。どうやら公選法という法律で、公示日以降サイトの更新ができなくなるそうで、僕は先日、民主党のサイトを高く買っていたのですが、実は民主党のサイトは公示日以降更新したもので、公職選挙法違反に当たるそうです。
以下ヤフーニュースの記事より抜粋しました、公選法の説明です。

公選法は「選挙運動」で、規定のビラやはがきなどを除く「文書図画」の頒布を禁じている。人の視覚に訴えかけるものはすべて文書図画と解され、候補者名や政党名などが記されたホームページやブログ(日記風サイト)の画面も公示日以降は公選法の規制を受け、更新ができなくなる。

さて、僕の意見に戻ります。自民のサイトはちゃんと公示日以降更新していないため、民主に比べて見劣りする内容になっていたのに合点がいきました。
そうか、ごめんなさい。自民はちゃんと法律を守ってたのね。
でも・・・さあ、この法律は変ですよ。選ぶ側のこと考えてほしいですね。
イギリスでは選挙をすると本屋にマニュフェスト関連の本がずらっと並ぶそうですが、日本の法律では、それも公選法違反になるため現状ではできないと聞きます。マニュフェストはお約束ごとのはずなのに、それを知るには、今のところ、各政党に電話して取り寄せるしかないそうです。馬鹿げてますよね。
マニュフェストで選挙するにはまず、この法律を変えるのが必須だと思いました。
僕が思うのはもっと選挙のやり方を自由競争にしてほしいってことですね。今の選挙はぬるいと思います。選挙ってもっと国民に知ってもらう努力をしないといけないのに今の法律ではあまりに自由が無くて、そのため差別化が生まれにくいので、候補者を選びにくいと思うんです。もっと色んなアプローチができるようにしてほしい、そうしたら政治家ももっとアプローチの工夫ができるはずだし、選挙も面白くなると思うんですよ。ローカルのテレビ局でその地区の候補者の政策を述べる番組を作るとか、もっと地域に密着したやり方とか、色々やり方があると思うんです。
国会答弁なんかでも官僚の考えを代弁するんじゃなくて、政治家の自由発言がもっとできるようになればいいと思う。そのためにはマスコミもいちいち発言のあげあしとりをしないようにしてもらわないとな。なんて思います。
とにもかくにも法律や憲法を変えないとできないことが多いですね。だってもう今の時代に合ってないんですもん。小泉さんのやり方は民主主義らしからぬ強引さだけど、スピードが政治には必要で、小泉さんのそういうとこは好きなところです。日本のこの、一つ法律を変えるのにも時間がえらくかかるのは時々苛立ってきます。
  1. 2005/09/02(金) 00:55:37|
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